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台風13号が去っていった。
九州地方では家屋倒壊や浸水、農作物の損壊などの被害を残した。
そして我が家も今、この災害の爪あとに苦しんでいるのである。

18日。
昼過ぎには暴風域に入るでしょう、とTVの天気予報が告げている。
今日は、ワタシの住んでいる市の5ヶ月児健康相談の日だ。
台風の影響で少し開始時間が早まったものの、予定通り行うらしい。
同じ月に生まれた5ヶ月になる可愛い赤ちゃんが沢山集まるこの機会、何日も前からワタシはとても楽しみに待っていた。

赤ちゃん連れのお出かけは、余裕を持っての行動が望ましい。
朝。
早めに台風対策を済ませて、ゆったりと出かけようと、パグ子を2Fの寝室から1Fに連れていってひととおりの世話をすませた後、まずは2Fの雨戸を閉めておくことにした。

2Fには雨戸を閉めるべき部屋が2つあるのだが、その2部屋が幅の広い南向きのベランダで1つにつながっている。
ベランダ側から見れば、それぞれ別の部屋へ通じる大きな掃き出し窓が2つ、ついている形になる。
2つの部屋は、ベランダ側から左が寝室、その右隣がおもちゃや本棚がある物置部屋だ。

寝室の掃き出し窓からベランダへ出る。
まだ、雨足はそれほど強くない。
先に隣の物置部屋の雨戸を閉め、再び左の寝室側へ。
以前から気づいてはいたのだが、寝室の窓の戸袋周辺に、鳥の糞がかなり溜まっている。
広いベランダのこと、普段の生活には影響がないので、掃除をするのも厄介だし、見て見ぬふりをしていた。
どうせ借家だ。出て行く家だ。というのもある。
しかし、決して美しいものではない。いや、汚い。
ウェットティッシュを握り、憂鬱な気分で戸袋に近づき、雨戸を1枚、ひいた。

雨戸にも糞がついている。
不潔だ。
今回の台風は風の心配はさほどでもなさそうだ…いっそ雨戸を戻すか?

戻す方向に視線を向ける。
戸袋に現れた、雨戸1枚分の薄暗い空間が目に入る。

…と。

亜sdkjrj言うs@ウェkjl;ウイ緒rj;lkkあp」「そrナニコレナニコレナニコレナニコレナニコレ?????

つるりとした茶色の個体が4つ、5つ。
身を寄せ合って、モゾモゾ…モジモジ…
壁に小さな手を引っ掛け、小刻みに蠢動している。

「ひっ!」
息を吸ったのか吐いたのか分からない喘ぎが喉を塞ぐ。
1拍おいて、指先から背中に向かって一気に肌がゾワゾワと粟立つ。

息を潜めてじりじりと後ずさる。
停止した思考が捕らえた映像を分析しようとするのは、それからである。

ネズミ?
いや。
ちがう。
なんだ!?なんだ!?!?

いや!
分析はあとだ。
このままではまずい。見たくない見たくない見たくない。

脳からの指令。
“雨戸を戻せ!”

ガラガラガラ。

キャーーーーーーー!!!」

寝室を旋回する黒い羽。
分析するまでもない。コウモリだ!!

ひいた雨戸の内側に、1匹、ついていたのだろう。
およそ2周/1秒のスピードで、弧を描いて音もなく飛んでいる…嗚呼、気が遠くなりそうだ…。

「キャーーーーーー!!!」
旋回がこちらへ向かうたび、ベランダに甲高い悲鳴が響き渡る。

戻しきれていない雨戸の戸袋では、相変わらず蠢動を続けるコウモリの子供たち。

「お願い!お願いやから、出て行ってよ!」

もう、涙と鼻水でぐちょぐちょである。
雨足が、強まってきた。
そうだ、隣の部屋から…

「イヤーーーーーー!!!」

最初からいたのか、移動したのか、右の窓の戸袋にも1匹、蠢いている。

「助けて!助けてよーーー!!!」

パグ夫は、既に出勤してしまった。

パグ子が、1Fで待っている!!!

「出て行け!出て行けよおーーーーー!!!」

イヤになるくらい、近所に人気がない。
いつサンダルが脱げたのか、裸足でベランダを逃げ惑うワタシ。
誰も助けてくれない…コウモリは旋回中…もうダメだ


力尽きそうになったその時、寝室のクーラーの上あたりでコウモリがふと見えなくなった。
今しかない…!
勇気を振り絞って泣きながら部屋に突入。窓を閉める。ドアを閉める。一目散に1Fへ逃げる。



現在。
「開かずの間」となった寝室を、その日の朝のうちに帰ってきてくれたパグ夫と捜査するも、バットマンは忽然と消えてしまった。
パグ夫がいうには、腰高窓の方が少し開いていたから、そこから出て行ったのではないか、と。
しかしワタシには気休めとしか思えない。

Xデーの翌朝、心細さに萎え入りそうになりながらも、寝室の中から雨戸を完全に戻すことができた。
戸袋の中は、未確認である。

ネットで調べると、日本のコウモリは人畜無害であるらしい。
むしろ、蚊などの害虫を食べてくれる益獣とされているようだ(どおりでこの夏、蚊がこなかった訳だ)。
が…あのおぞましい蠢動を思い出すと、食欲が一気になくなっちゃうのである。
寝室へはよほどの用事がない限り立ち入らず、1Fでの生活を続けている。

コウモリが嫌うというナフタリン、ベランダの糞を掃除するデッキブラシを購入した。
そして万一、まだ部屋に潜んでいる場合に備え、向かいのオバチャンから捕獲網をレンタル中である。

決戦は、日曜日だ。
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うひゃ、ひゃ。
笑わしてもらいました。
九州にもコウモリはいるんやな。。。

何を隠そう、こちら群馬・栃木には、コウモリが沢山住んでます。夕方になると、街路樹の周りを中心に、パタパタ…と大量に飛び回っているのです。
最初は、スズメか蝶々だと思ってた(笑)けど、コウモリと知った時にはやっぱりゾッとしましたね。(もう慣れましたが…)

コウモリも、顔をよく見るとカワイイらしいので、赤ん坊同様にかわいがってあげてください。(笑)

しかし、捕獲網って…
向かいおばちゃん、何でも屋ですね。
よっしー URL 2008/09/22(Mon)23:26:06 編集
見つかったよ…
2日後。寝室のクーラーの下の壁にちょこんと貼りついていたよ…
捕獲網(単なる、虫取り網です。お孫さんの名前が書いてありました^^)でパグ夫がゲッチュー。奴ら、かなり鈍いみたいで、簡単に獲れたそうな。

戸袋にいるヤツらと目が合った瞬間に鳥肌が…顔じっくりなんて、見られませーん!多分、全部(パグ夫が)追い出したと思うけど…結局、20匹(!!!)くらいお暮らしになっていたらしい。ゾワゾワゾワ!もういやじゃー!
パグ主人 2008/09/24(Wed)16:43:06 編集
無題
ムツゴロウさんが飛びついてきそうな「天然素材の館」と化してますやん。まさに自然との共存…??
うちんちの近所も夕方コウモリが飛びまわって、高校の部活帰りはコウモリの飛行とともに帰宅したもんでしたわ〜〜
しかしそんなに大家族で住んでたのにまったく気付けないもんなのか?コウモリって夜行性やから寝静まったころに旋回してたのだろかー??
まおこ 2008/09/27(Sat)01:43:22 編集
気づきたくなかったのか?
糞は鳥だと思い込み、よほどのことがない限り雨戸は使わずにいたら、物音もしないし気づかなかったよ。夜ベランダに出るってこともなかったしな。
コウモりって結構、どこでもいるんやね。ウチの田舎では見たことないけどなあ、海辺やからか?

ネット情報。コウモリは1日に蚊にすると500匹分もの虫を食してくださるらしいっす。
パグ主人 2008/09/28(Sun)21:14:37 編集
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